糖尿病について①
近年、世界的に糖尿病は増えていて、それは日本も例外ではありません。
厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査」では、過去20年での増加傾向が見られます。また同調査で、年齢が高いほど糖尿病有病者の割合が多くなることも示されています。
では、糖尿病ってどんな病気でしょうか。
糖尿病は知っていても、糖尿病ってどんな病気なのかよくわからない。
そんな方が多いんじゃないでしょうか。
私も医療従事者ですが、やはり糖尿病についてパッと上手に説明することは難しいです。
なので、糖尿病については語りたいことを何度かに分けてちょこちょこ書かせていただければと思います。
今回は糖尿病ってどんな病気なのか、簡単に説明しようかと思います。
糖尿病とはインスリンというホルモンの作用が十分でないために、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が慢性的に高くなってしまう病気です。
糖は身体のエネルギー源で、血液の流れに乗り全身に届けられます。筋肉等の細胞に届けられた糖はインスリンの作用により細胞内に取り込まれます。このインスリンの作用によって血糖値は一定の範囲に保たれているわけなんですね。
では、インスリンの作用が十分ではないとはどんな状態でしょうか。
その原因は二通りあります。
一つ目はインスリンの分泌が足りてないということ。インスリンは膵臓で作られ、分泌されます。何らかの理由で膵臓の機能が落ちてしまうと、十分な量のインスリンが分泌されなくなってしまいます。
二つ目は体内でのインスリンの効きが悪くなってしまっていること(インスリン抵抗性)。運動不足や高脂肪食、肥満などが原因とされ、筋肉や脂肪組織といった細胞へのインスリンの効き(インスリン感受性)が悪くなり、細胞内への糖の取り込みが上手くいかなくなります。
こういった原因により、血糖値が高くなり糖尿病となってしまうわけです。
次に糖尿病の症状について簡単に説明します。
糖尿病、つまるところ高血糖自体の症状は現れにくく、なかなか自覚することが難しいです。
口渇、多飲、多尿、体重減少などの症状があります。高度の高血糖では意識障害が生じることもあります。
先ほども言いましたが自覚が難しいので、健康診断で判明したり、眼や末梢神経、腎臓等に合併症が現れてから糖尿病が発覚する人も少なくありません。
自分が糖尿病か気になる方は一度検査をされてみてはいかがでしょうか。