片頭痛について①
2024年の6月はあまり梅雨に似つかわしくない暑さの厳しい日が続きますね。
しかし、急な天候の崩れなども顔を見せ、この空の乱高下に振り回されている頭痛持ちの方も多いのではないでしょうか。
かくゆう私も片頭痛持ちで、梅雨の季節は天気の悪さも相まって憂鬱な日が多いです。
そんなわけで今回から片頭痛について書いていこうと思います。
見てくださった方に有益な情報を共有できれば幸いです。
ちなみに医学的には「偏」頭痛ではなく「片」頭痛が正しい表記となります。
・概要
片頭痛という名称は、片側の頭が痛むことからつけられたようです。しかし、片頭痛患者さんの中には、両側の頭の痛みを訴える方も少なくないそうです。
国際頭痛学会では、片頭痛は前兆のあるものと前兆のないものの2種類に大別されています。前兆は片頭痛患者さんの3割ほどに見られるそうです。
代表的な前兆には閃輝暗転(視界にギザギザした光の波が現れ、それが徐々に広がっていく)がありますね。他にもしびれといった感覚症状や言葉が出にくくなるといった言語障害などといった前兆が報告されています。
頭痛前のだるさや眠気、頸部のこりなどといった症状は前兆と区別され、予兆と呼ばれております。
通常、前兆から5~数十分ほどで頭痛が始まります。頭痛発作は4~72時間ほど持続し,片側性のズキズキと脈打つような拍動性の痛みを特徴としています。頭痛発作中は感覚が過敏になり、周囲の光や音、臭いが不快に感じる方が多いそうです。また、吐き気が強くでる方も多いとされています。
・診断
日本での片頭痛の診断は、国際頭痛学会の診断基準に沿って行うことが推奨されています。
前兆のない片頭痛の診断基準(国際頭痛分類第3版(ICHD-3)日本語版より抜粋)
A.B~Dを満たす発作が5回以上ある
B.頭痛発作の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)
C.頭痛は以下の4つの特徴の少なくとも2項目を満たす
① 片側性
② 拍動性
③ 中等度~重度の頭痛
④ 日常的な動作(歩行や階段昇降など)により頭痛が増悪する.あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
D.頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす
① 悪心または嘔吐(あるいはその両方)
② 光過敏および音過敏
E.ほかに最適なICHD-3の診断がない
前兆のある片頭痛の診断基準(国際頭痛分類第3版(ICHD-3)日本語版より抜粋)
A. BおよびCを満たす発作が2回以上ある
B. 以下の完全可逆性前兆症状が1つ以上ある
① 視覚症状
② 感覚症状
③ 言語症状
④ 運動症状
⑤ 脳幹症状
⑥ 網膜症状
C.以下の6つの特徴の少なくとも3項目を満たす
① 少なくとも1つの前兆症状は5分以上かけて徐々に進展する
② 2つ以上の前兆が引き続き生じる
③ それぞれの前兆症状は5~60分持続する
④ 少なくとも1つの前兆症状は片側性である
⑤ 少なくとも1つの前兆症状は陽性症状である
⑥ 前兆に伴って、あるいは前兆出現後60分以内に頭痛が発現する
D.ほかに最適なICHD-3診断がない
今回は片頭痛の概要と診断基準について、簡単ですがまとめてみました。(診断基準は国際基準の丸写しですが…)
片頭痛持ちの方はご自身の症状と照らし合わせてみていかがだったでしょうか。私は前兆のある片頭痛で、今回書いた特徴がほとんど当てはまりました。
次回は治療について書こうと思っています。対症療法がメインになってくるかと思います。
ここまで見ていただき、ありがとうございました。